フッ素樹脂(テフロン)フィルム・シート
フッ素樹脂フィルム・シートは、耐紫外線特性を始め、耐熱性、耐薬品性、耐食性、低摩擦性、非粘着性、電気絶縁性という非常に優れた性質を持っており、多方面で使用されています。フィルム・シート用に使用されるフッ素樹脂はPTFE、ETFE、PFA、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PVF(ポリフッ化ビニル樹脂)などであり、中でもPTFEの需要がもっとも多くなっています。
以下にフッ素樹脂フィルム・シートの販売、製造に関する2003年時のデータをご紹介します。
用途動向
占有度 | 具体的用途 | |
---|---|---|
ライニング用 | 32% | 配管材、タンク用 |
電気絶縁用 | 27% | モータトランスのコイル絶縁、ケーブル・ワイヤの絶縁テープ、離型フィルム |
農業用 | 16% | 温室ビニールハウスや園芸用の被覆資材 |
建材用、その他 | 25% | 摺動材、ドームスタジアムの屋根材 |
(富士キメラ総研による調査)
※ライニング:配管の内側に施す耐食・耐摩耗・電気絶縁加工
フッ素樹脂フィルムは、電気絶縁性や非粘着性を要求されるライニングや電気絶縁材料、摺動材などの分野で主に使用されています。中でもETFEフィルムはコストの低さから、電線被覆材や離型用フィルムとして使用されることが多く、またその透明度の高さから温室のビニールハウス用フィルムやドームスタジアムの屋根材として使用されています。
国内市場規模推移(2002~2007年)とフッ素樹脂フィルムの販売ウェイト(2003年)
2002年 | 2003年 | |
---|---|---|
販売数量 | 1,830t | 1,850t |
前年比 | - | 101.1% |
(富士キメラ総研による調査)
フッ素樹脂フィルムは競合となる商品が少ないため、当面は限定された用途で需要を固く確保し、年率2~3%の伸長率での推移が予測されます。販売金額では2003年に113億円の実績があり、2007年までには125億円まで上昇されると予測されています。
フッ素樹脂別フィルム販売ウェイト | ||
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樹脂 | 販売数量ウェイト | |
PTFE | 65% | |
ETFE、PFA、PVDFほか | 35% | |
合計 | 100% |
(富士キメラ総研による調査)
フィルム用として使用されているフッ素樹脂はPTFE、ETFE、PFA、PVDF、PVFなどがあり、もっとも需要が高いのはPTFEです。またETFEフィルムの販売は、開発元である旭硝子が主に行っています。
参入企業とメーカーシェア(2003年)
メーカー名 | 販売量ウェイト |
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日東電工 | 50% |
日本バルカー工業 | 13% |
ニチアス | 9% |
中興化成工業 | 9% |
その他 | 19% |
合 計 | 100% |
(富士キメラ総研による調査)
2003年の調査では、日東電工が2位以下を大きく引き離して50%のシェアを占めています。これは絶縁テープの販売に起因していると見られます。